映画専攻は、国際的に流通しうるナラティヴな(物語性を持つ)映像作品を創造するクリエイターや、高度な専門知識と芸術的感性を併せ持つ映画製作技術者を育成することを目標としています。
映画専攻には監督、脚本、プロデュース、撮影照明、美術、サウンドデザイン、編集の七領域(コース)があります。この区分は商業映画の職能区分とほぼ同じであり、映画専攻に入学することでプロと同様の映画制作プロセスを自然に学習できるようになっています。カリキュラムの軸となるものは作品制作であり、ドラマ性を持った映画を主に、短編から長編まで年間数本の作品を実習として制作します。そして、その制作費用は作品規模に応じて実習費として用意されます。また、インターンシップなどでプロの制作現場を経験し、修了後の社会との関わりを築いていくことも可能です。
学生は作品制作に向けて、領域別にゼミナール形式で専門的指導を受けます。また、自らの領域の学習だけではなく、他領域の基礎知識を学ぶ授業も用意されているので、映画についての総合的な知識を深め、感性を高めることができます。作品制作に使用する施設?機材?備品はプロが使用しているものと同等クラスのものであり、講師陣には第一線で活躍する専門知識を持った多種多様なプロが揃っています。
>>?映画専攻公式Webサイト
今、映画産業は「フィルムからデータへ」という「デジタル映画革命」の最中にあります。これは「サイレントからトーキーへ」の音声革命に匹敵する出来事だと言えるでしょう。映画専攻はこの「映像新時代」に対応すべく、撮影から上映までを全てデジタルで行う「デジタルシネマ制作システム」をいち早く構築しました。
また、映画専攻は「現在の映画製作システムでの職能(領域)区分は今後、融合していく方向にある」と考えています。現在の映画制作職能を、学内にほぼ全て領域として持っている映画専攻は、領域間の人的、技術的横断を行うことにより、ハード(機材)だけではなく、ソフト(人材、知識)の面でも新時代に適応できる教育機関をめざしています。
美術や音楽分野が産業としての振興と教育体制の確立を明治の初期から行ってきたのに対して、映画映像産業は教育機関との連携なしに今日まで進歩してきました。しかし、映画映像産業も「デジタル映画革命」の中で、産業として大きな分岐点にさしかかっていると言えるでしょう。今こそ、経済活動に対してニュートラルな立場を取ることができる教育機関が積極的な役割を果たすことができるはずです。映画における産学の連携は今、始まったばかりなのです。
必須科目A | |
映画創造特別演習Ⅰ?Ⅱ | 全常勤教員 |
国際映画芸術表現研究 | 筒井武文、諏訪敦彦、市山尚三、他ユニット教員 |
必須科目B | ? |
映画表現技術論 | 全常勤教員 |
作品?作家研究 | 諏訪敦彦、塩田明彦 |